こんにちは、やとわれてんちょです。
新人営業さん向けに現場で使えるコツを発信しています。もう13回目ですね。
今回も行動経済学から抜粋して、「ナッジ理論」を紹介します。
あんまり聞いたことないかも?だけど実は日常生活の中でも活用されてる
効果的な心理なんです。簡単にいうと
「選択を強制せずに自由に選んでいるようで、より良い選択肢を選んでもらうようにする工夫」
ですね。実際の店舗でもこんなマークがありますよね
別に言われたわけじゃないけど大多数の方がこのマークに沿って
レジに並んでます。このようなちょっとした工夫が
実際の店舗だとどんな風に活用されてるかをいくつか紹介しますね。
この記事は
- 営業に配属されたけど自信がない
- 営業をしばらくしてるけど中々結果が出ない
- センスで営業してるけど分析は特にしていない
- 店舗を構えてるけどどう演出したらいいか手探り
というような営業で頑張る新人さんや営業に関わる方へ
仕事がちょっと楽になるコツを記事にしています。
行動経済学なんていうと難しそうな名前ですが
とても現実よりの心理傾向をまとめたモノなので
営業現場で応用が効くので非常に面白いですよ。
営業に役立つ知識にもなるので新人営業さんは
ぜひ身につけて欲しいです。
僕は小売業を22年、店長を15年ほどやってきました。
ずっと営業サイドの仕事をしてきたので教科書みたいな
知識じゃなく現場目線での
考え方が多いのでぜひ最後まで読んでいってください。
- ナッジ理論てなに?どんな心理?
- ナッジ理論の現場活用例
- おまけ
の順番で解説します。
①ナッジ理論てなに?どんな心理?
もともとナッジ(Nudge)というのは「ヒジでつつく」という意味です。
ちょっと、気をつけて。危ないよ? というように
気づくように促すって意味ですね。
けっして強制したわけじゃないし相手が自分で判断してるようだけど
好ましい判断とか選択とかをするように働きかける工夫いろいろですね。
冒頭の「こちらでお待ちください」などのマークとかが代表的です。
実はこれ、店舗内のような現場以外にも政府の政策とか
公共の場でのマナー向上などにも取り入れられてるんですよ。
あんまり強制された覚えはないけど、自然と判断を誘導されてることは
意外と多いかも。
本当にたくさんの事例があるので、僕の経験した現場具体例を
いくつか紹介します。そして営業現場じゃないけどナッジ理論を
うまく使った社会の事例も後半でまとめて紹介しますね。
②ナッジ理論の現場活用例
2−1どうぞ買い物かごを使ってください
スーパーでも洋服屋さんでも買い物かごって置いてますよね。
もし商品が片手で持てる商品だとしたら買い物かご使ってますか?
そして店舗側のスタッフだとしたらお客様に買い物かごを
おすすめしてますか?
実は、買い物かごをお勧めして持ってもらうのはお客にも
店舗にもメリットがあるんです。これをナッジ理論の観点で
解説すると
- 買い物かごを持った人が沢山いる(みんな購入してるという印象)
- 買い物かごに入れるのが一つだけだと少なく思う(ついで買い)
- 持ちやすい(のでもうちょっと長く選ぼうかな)
- 親切にしてくれた(ので一つくらいは買おうか)
というように別に強制されてませんが好ましい方向へ
心理が動きやすいです。もちろん、絶対にこうだというモノではないので
状況や現場ごとに違いますけどね。親切にして損はないですよ。
2−2平均的な電気代はこのくらいですよ?
こちらもよくあるケースで
家電量販店やリフォームショールームだと標準的な家庭での
電気料金とか水道料金などがさりげなく目に入るように
用意してあります。
そして「○○人家族の平均的な電気代は△△円くらい」と
書いてあれば、あれ自分の家は電気代かかりすぎなのか?
というように興味を持ってもらえますよね。
そうすると省エネモデルの商品へ自然と会話が移りやすく
なりますし、購入目的以外の部分でも見直ししようかと
思ってもらいやすくなりますね。
実際に家電商品のエアコンや冷蔵庫は省エネ効率が非常に
よくなってるので年間電気代が数万円変わってくることも
ざらにあります。そうすると、購入金額の差より
10年間での電気代の差額の方が大きくなるぞ?と
いうことがかなりあります。
特にエアコンはリビングなどの大きな場所だけでも省エネの
モデルにした方がいいですよ。全然違いますから。
こちらは経済産業省の省エネ型製品情報サイト。
ここで購入検討のエアコンの型番を入力すると、年間電気代の
目安が表示されるので比較してみるといいです。
こんな違うのか!とびっくりすると思います。
2−3メルマガに登録しますか?
今どきはどんな店舗に行ってもアプリで会員登録して特典を
もらったりしますね。
そしてそういう時は大概メルマガを
登録しますか?という画面になると思います。
これ、昔より今は「登録しますか」の問いかけの後に
はい・いいえ の場合は「はい」が元々選択されてるケースが
多くなってるの気づいてますか?
つまり「はい」がデフォルトで「いいえ」が選択ということ。
これによってメルマガ登録をする人の割合がぐっと増えてます。
これって何かを選ぶことがしんどいという心理も
働いてると思うんですよね。だからそのまま「はい」を
選ぶ人が多いのかな?
同じようなケースで
もし自分が何かの店舗経営したり何かの会員募集をするなら
「お得なメール配信をもらう」とか「DMがあれば受け取る」
という設問では最初からレ点入ってるのがデフォルトで
「不要な方はレ点を外してください」という表示の方が
受け取る方は増えると思いますよ。
2−4世の中のナッジ理論応用いろいろ
ここまでは小売の現場での応用例をいくつか紹介しましたが
他にも世の中でナッジ理論が応用されている事例が
沢山あります。その中でこれはいいなと思った例を
ちょっと紹介します。
- 臓器提供意思カードは「提供する」がデフォルト(海外)
- レジ袋は「必要な方は申し出てください」がデフォルト
- トイレの立ち位置の足マーク(汚れ防止)
- ビュッフェでの料理の並び方(サラダが手前)
- セルフレジだとポイントアップ(厳密にはナッジじゃないですが)
- 税金支払いで「多数の方が○○までに支払い完了しています」
- タバコの吸殻で人気投票(ポイ捨て激減)
面白いですね。
出かけた先で気がつかないようなところで工夫を凝らして
ナッジを効かせている場面などがあって「うまいなぁ」と
思うこともあります。意識して見渡すと勉強になります。
おまけ
お疲れ様でした。今回は行動経済学から「ナッジ理論」を
紹介しました。どうでしたか?
「選択を強制せずに自由に選んでいるようで、より良い選択肢を選んでもらうようにする工夫」
ということでしたね。
どちらかというとこれは営業での個人スキルじゃなく
売場全体での工夫だったり店舗づくりレベルの技術ですが
この考え方は知っておいて損はないですよ。
営業の第一線ではこういった心理学とか行動経済学とか
全く習ってないのにセンスでやっている人もいれば
僕みたいに全然芽が出なくて悔しい思いをしたり
自分にはセンスないのかな?と思っている営業さんも
たくさんいるでしょう。この記事は少しでも
営業のお仕事に関わっている人に助けになればといいなと
思って僕なりの見解で書いてます。ココ違うよっていうのが
あれば直しますので遠慮なくお知らせ下さい。
他にもいろんな心理を紹介しますのでまたみてくださいね。
ではー