こんにちは、やとわれてんちょです。
前回に引き続き、行動経済学からひとつ抜粋して新人営業さん向けに解説していきます。
イキナリですが1万円の出費って大きいですか?
もちろん僕にとっては大金です。
何日ぶんの昼飯代かと。だけど、場合によってはこの1万円の
感じ方が変わっちゃうことがあるんです。ざっくり説明すると
「比較する大きな数に影響されて金額の変化がいつもより小さく感じる心理傾向」
です。さっきの1万円ですが、場合によっては
同じ1万円なのに簡単に支払うことあるんです。
そんなことある?と思うかもですがけっこう現実でもありますよ。
この記事は
- 営業に配属されたけど自信がない
- 営業をしばらくしてるけど中々結果が出ない
- センスで営業してるけど分析は特にしていない
- 店舗を構えてるけどどう演出したらいいか手探り
というような営業で頑張る新人さんや営業に関わる方へ
仕事がちょっと楽になるコツを記事にしています。行動経済学なんていうと難しそうな名前ですが
とても現実よりの心理傾向をまとめたモノなので営業現場で応用が効くので非常に面白いですよ。
営業に役立つ知識にもなるので新人営業さんはぜひ身につけて欲しいです。
僕は小売業を22年、店長を15年ほどやってきました。
ずっと営業サイドの仕事をしてきたので教科書みたいな知識じゃなく現場目線での
考え方が多いのでぜひ最後まで読んでいってください。
- 感応度低減性ってなに?どんな心理?
- 感応度低減性の現場具体例
- おまけ
の順に紹介します。
①感応度低減性ってなに?どんな心理?
冒頭の例だと1万円を大金だと思いますか?という問いかけでしたが、この単体の質問だと人によってはランチ代と比較したり小遣いと比較したりで僕も含めて「大金だと思う」という返答になると思います。だけど、これが大きな金額の買い物のオプションだったりすると全然印象が変わってくるんですね。
次の会話を見て金額をどう感じますか?
ランチセットAは700円、プラス200円するとラーメンが追加だよ。
もしくはプラス100円すると好きなデザートひとつ選べるよ。
ラーメンも食べたいけどプラス200円か・・・
100円プラスでデザートにしようかな?
ここでは「ランチセットAは700円」という情報が母数になってるのでプラス200円とか100円が重みを感じる金額だと評価されてますよね。ま、食べきれるかどうかという問題は置いときましょう。次は実際の店舗でもよくある光景です。
この革張りソファAは本革なのに15万8000円でお買い得です。オススメですよ。隣に展示している
こちらの合皮革ソファBが14万6000円なのでいつもなら3万円違いなのに差額が1万2000円しか変わらないなら
革張りソファAにしませんか?
いつもなら3万円も違う商品が1万2000円違いで買えるなら
お買い得なのかな?こっちにしようかな?
どうでしょうか?ランチを選ぶときは200円か100円かで悩んでいた人が、ソファを購入する場合だと1万円以上の金額差を検討してます。
「革張りソファAは本革なのに15万8000円」という母数に引っ張られて1万円の価値に対する評価が低減されてますね。
この心理傾向が「感応度低減性」と言います。実はこれ、自分が何かを購入する側の心理だけじゃなくて、お金をもらう側でも低減性が発揮される場面があるんです。
たとえば毎月の給料。毎月の給料で15万円だった人が17万円にアップしたら「2万も」上がってすっごく嬉しいですが、35万円もらってた人が37万円になっても「2万しか」上がってないと感じるんですね。
では次は感応度低減性を使った現場具体例を。
②感応度低減性の現場具体例
では実際の店舗での実例をいくつか紹介します。
2−1スーツを長持ちさせるためのオプション
スーツ着て営業してる方、お疲れ様です。毎日来ているスーツは営業にとって大事な商売道具のひとつですから、おそらくスーツ売り場であれでもないこれでもないと選びましたよね。
安っぽくなく、だけどあんまり高すぎないものを選んでもやっぱり上下揃えて数万円、ズボン追加すると更に・・・ということで安い買い物ではないと思います。そんな時にこう言われたことありませんか?
「せっかくのスーツとズボンなので長く使えるようによく擦れてしまう箇所に補強しませんか?今なら同時申し込みなら○○円だけですよ」のように。多分スーツ買ったことのある方ならみんな経験あるんじゃないかな?この場合はもちろんスーツ本体の価格が母数になってるので
数千円の追加ならハードルが下がってる状態ですね。ちなみに僕ももちろんお願いしました。
2−2結婚式や旅行のオプション
これもよくある例ですね。何百万円もかける結婚式の場合、例えばケーキのグレードを3万円違いでグレードを上げられるけどどのグレードにします?とか聞かれたらいつもよりかなり金額に対しての認識が低減されちゃうんじゃないでしょうか。普段の生活で3万円のケーキなんてそうそう食べないですよね。同じくせっかくの旅行なのでってことで食事をひとつグレードアップしたり、途中の移動手段をグレードアップしたり。まぁこれも僕自身も含まれてるんですが。せっかくなんでね。仕方ないかなと思ってたなぁ。
もちろんそういうイベントごとに自分の財布の範疇でなんかするのはすごくいいと思いますよ。人生そういうのも大事。3万円のケーキは多分もう食べないですけどね。
2−3フレーミング効果との合わせ技
これはちょっと営業に慣れて着た人向けですが、この「感応度低減性」と「フレーミング効果」を組み合わせた営業トークがあります。
高額な家電製品や車を購入するとき、現金で支払いしてますか?高額になればなるほど分割という支払い方が増えてくると思います。例えばのケースで100万円の商品を購入するとして60回の分割だと毎月1万6千円くらいです。
一気に支払いハードルが下がりましたよね?そこで、関連する商品でもオプションでも追加提案するならその金額も毎月支払い金額に計算して提案するという小技です。さっきの1万6千円をちょっとアップして1万8千円なら?
これだと月の支払いが2千円だけ上がったように感じますが、60回払いですから2千円×60回で12万円の売り上げアップです。
この手法だと車をローンで購入する時にハンドルをちょっとグレードアップとか受け入れやすいと思いますよ。
フレーミング効果って何?という方はこちらもどうぞ。
【新人営業さん向け】同じ事なのに良い印象になる?「フレーミング効果」を現役店長が簡単解説おまけ
ここまでお疲れ様でした。今回も行動経済学から抜粋して「感応度低減性」を紹介しました。
「比較する大きな数に影響されて金額の変化がいつもより小さく感じる心理傾向」という内容でした。いくつか具体例を紹介しましたがご自身の職場に合わせて活用してみてくださいね。
僕の職場にも新人さんがいますがなかなかうまくいかないこともあって試行錯誤してます。
少しでも営業のお仕事に関わっている人に助けになればといいなと思って僕なりの見解で書いてます。ココ違うよっていうのがあれば直しますので遠慮なくお知らせ下さい。
他にもいろんな心理を紹介しますのでまたみてくださいね。
ではー