エアコン選びで悩んでいませんか?家電の中でもエアコンは大きな買い物になりますし、購入したら10年くらいはずっと使用するものなので慎重に選びたいですね。
せっかく購入するなら失敗したくない、と思うのは自然だと思います。
「どう選んだらいいの?何を調べておけばいいの?」と
迷われている方もかなり多いです。この記事ではエアコンの機種を選ぶ段階としてよくある勘違いを解説します。
後から知って購入の前提が崩れてしまうことや購入後にこっちにしとけば良かった!という後悔も減らせます。
僕は家電業界22年ほど、そのうち店長を15年ほどやっています。
毎年暑くなるとエアコンのピークがきて先ほどのような相談を受けます。
数多くの方にエアコンの選び方をお伝えしてきた経験から機種選びの段階のよくある勘違いを5つ抜粋して紹介します。
- 畳数・グレードごちゃまぜの比較検討の勘違い
- 高性能エアコンは贅沢という勘違い
- フィルタ掃除についての勘違い
- 新旧入れ替えタイミングの勘違い
- どの部屋でも同じ選び方という勘違い
前回はエアコン選びの基礎的な部分を特集しました。エアコン選びに慣れてないから基礎を知りたい、という方は是非そちらも参考にしてください。
「8畳だから8畳用を選べばいいんじゃないの?」
「部屋にコンセントあるから大丈夫か」
といった基礎的なところを実例を交えて解説しています。
失敗しない為のエアコンの選び方基礎編【よくある勘違い4選】を現役店長が解説それでは今回の記事ではいよいよエアコンの機種を選ぶ段階のよくある勘違い特集をしていきます。
① 畳数・グレードごちゃまぜの比較検討の勘違い
この勘違いでかなりの時間をロスしている方もいます。
どういうこと?と思った方もいるかもしれません。これはよくある「おすすめランキング」などでも誤解を生む表記が多いのが原因かとも思います。
というのもおすすめ1位から10位といったランキングの中で畳数も揃えてなく、ハイグレード機種と格安機種を同じランキングで価格比較しているのが多いんですね。
例として
10畳ハイグレード機種14万円と14畳格安機種14万円を比べても意味はありません。
たまに「10畳用でもハイグレード機種ならきっとパワフルなんだろう」と勘違いなさっている方もいます。
適用畳数不足のエアコンではハイグレード機種でも冷暖房は効かないです。
エアコン選びはまず「畳数」をしっかり把握しましょう。前回記事の基礎編を参考にしてもらえると幸いです。
畳数を把握した上で、予算に合わせてグレードを決めるのがスムーズです。
各メーカもいろいろなエアコンを開発していますが、「畳数」については8畳用・10畳用など部屋の広さ目安は統一基準で表記されています。
なので気になるメーカやシリーズがあったら先に「畳数」を揃えてピックアップして比較するといいですよ。
これは例としてパナソニックエアコンの代表的なシリーズです。例えばハイグレードXシリーズは6畳から29畳まで生産されてますが、格安グレードJシリーズは6畳から10畳、12が無くて14畳・18畳までが生産されてます。
20畳サイズ以上の部屋となると各メーカとも中堅モデルか上位モデルの設置を想定していますね。
② 高性能エアコンは贅沢という勘違い
エアコンは家庭の電気代のうちどのくらいの割合なの?という前提ですが
経済産業省資源エネルギー庁によると
- 夏の日中(14時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のうち58%がエアコンによるもの
- 冬の夕方(19時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のうち30%がエアコンによるもの
ということでやっぱり家庭の電気料金のうちエアコンは影響が大きいですね。
これを考慮せずにエアコンの本体価格だけで選ぼうとしている方も多いです。
価格差と電気代差の実例
そこで現場でもよく聞かれるのが
「で、結局このエアコンとあのエアコンだといくら違うの?そんで電気代はいくら違ってくるの?」
ということで参考までに実例を紹介します。
型番 | 低温暖房能力(kw) (外気2度) | 楽天価格税込 (2022年7月10日時点) | 年間目安電気代 (円/年) |
例①CS-X562D2(パナソニック18畳) | 9.0 | 299,800 | 46,600 |
例②CS-EX562D2(パナソニック18畳) | 6.8 | 230,780 | 60,600 |
比較しやすいように同じメーカの同じ製造年度、同じ畳数エアコンで比べましょう。
例えばこのケースだと本体価格が①と②の差は69,020円ですね。
それで年間電気代の差が①と②の差が14,000円です。
ということは5年もしないうちに価格を電気代で逆転しちゃうわけです。
しかもその先は差が開く一方。もし15年使用したと仮定すると
14,000円掛ける15年なので21万円も電気代で差がつきます。本体価格差をはるかに超えてます。
投資をしてる人なら「かなり割りのいいリターンが見込める」と考えるとこですね。
もちろん例①のエアコンの方が完全に上位の機種なので低温暖房能力以外にも
人感センサー、気流制御、足元暖房能力、霜取り対策、湿度選択有無など
各種性能で上回ってますから電気代メリットだけじゃなく生活満足度も上がります。
機種によっては5年で逆転どころか3年や4年で逆転するケースもあるので探してみる価値は大いにあると思います。きっと家計を助けることになるでしょう。
今回はパナソニックの代表的なエアコンを比較しましたが、各メーカにも上位機種、中堅機種、お買い得機種とラインナップがあるので購入前に比較することを強くお勧めします。
代表的なエアコンメーカのグレードごとの比較特集が別記事にありますので参考になれば幸いです。
パナソニックのエアリアシリーズです。オススメはやっぱりXシリーズ。
ワンランク下のEXシリーズもいいのですが電気代の差と本体価格差を見て、あまり差がないなら
Xシリーズを選んだ方がいいでしょう。特に暖房能力が違います。
中堅モデルがEXシリーズ。フィルタ掃除付きだと主力中の主力です。
そしてフィルタ掃除機能が外れちゃいますが、お買い得モデルならJシリーズとFシリーズです。
パナソニックオリジナルなポイントとしてはやっぱり「ナノイー」で有害物質とか匂い抑制できるのが特徴です。
Fシリーズにはナノイー機能がないので注意。
このパナソニックエオリアから主力3シリーズを特集したのがこちらの記事です。
2022年モデル【エアコン価格徹底比較】パナソニックエオリア編厳選お勧め3シリーズ三菱の霧ヶ峰シリーズです。国内主要メーカの一つですね。オススメはZシリーズ。
これはパナソニックのXシリーズと性能面でもライバル機種という位置付けです。
中堅モデルならRシリーズ。フィルタ掃除付きで一番安価なモデルです。
お買い得モデルならGEシリーズという立ち位置です。
こちらは三菱霧ヶ峰より主力3シリーズを特集した記事です。
2022年モデル【エアコン価格徹底比較】三菱霧ヶ峰編厳選お勧め3シリーズ日立白くまくんシリーズです。こちらも有力なエアコンですね。「凍結洗浄」という内部を一旦凍らせてから一気に溶かすことで水洗いしているような機能が特徴的です。
この中だとオススメはXシリーズ。性能的にもパナソニックのX、三菱のZWに相当します。中堅モデルだとWシリーズ。ただ、こちらも価格差があまりないなら電気代でXシリーズの方が数年後に逆転しちゃうケースもあるので、価格差と電気代差をよく見た方がいいです。
お買い得モデルならDシリーズです。フィルタ掃除機能はないので注意。
こちらは日立白くまくんより主力3シリーズを特集した記事です。
2022年モデル【エアコン価格徹底比較】日立白くまくん編厳選お勧め3シリーズどういうエアコンの使い方でその電気代になるの?
もう一つ現場でよく聞かれるのが
「で、その電気代はずっと付けっぱなしでその金額?」という質問もよく聞かれます。
ちゃんと統一した基準がありますので紹介します。
この表にあるように付けっぱなしではなくて冷房期間3.6ヶ月、暖房期間5.5ヶ月で1日あたり18時間エアコンを使ってたというシュミレーションです。
ということはこの使い方より長い期間エアコンを使ってるなら想定したより電気代差が開くかもしれませんね。
梅雨の時期に除湿モードで使うとか、在宅している家族がいる場合などは使用期間が想定より長いと思います。
あ、それと寒冷地モデルエアコンという名前で勘違いしてる方もいたのですが、寒冷地といってもちゃんと冷房も動きますからね。
また、最上位機種や上位機種には高性能な人感センサーが付いていたりするので不在ならエコ運転になったり体温を感知して無駄な電力を抑えたりと、より節電になります。
③ フィルタ掃除についての勘違い
エアコン選びでかなりの頻度で聞かれるのが「フィルタ自動掃除があるかないか」です。
格安モデルのフィルタ掃除は2週間に一度
ところでみなさんはエアコンのフィルタ掃除ってどのくらいの頻度でやってますか?
季節の変わり目の1回ですか?それとも毎月ですか?
実は、フィルタ掃除機能がないエアコンは「2週間に1回」くらいは掃除必要です。
大抵のメーカでは説明書に「お手入れ」っていうページがあって、2週間に1回くらいの頻度で掃除するように記載されてるのがほとんどです。
え?と思いました?
実際にいろんな人に聞いてもそんな頻度で掃除してる人は少ないです。なので、フィルタが詰まった状態で数ヶ月とか1年とか運転を続けたエアコンは想定以上に電気代を使ってしまっているはず。
溜まったホコリはカビの温床になっちゃいますしね。
それに年配の方とかが椅子に乗ってエアコンフィルタ外すのはちょっと危ない気がします。
おじいちゃん、おばあちゃんの部屋のエアコンは是非フィルタ清掃機能付を選んであげてください。
自分で掃除するので格安モデルがいいなというニーズももちろんあります。
その際はこちらの比較表が参考になるかなと思います。
現役店長が選ぶ2022年おすすめ6畳エアコン【フィルタ掃除なし格安10万未満】比較3選フィルタ自動掃除ありなら掃除しなくていいの?
エアコンの主要パーツの中でホコリが溜まるのはどこか?というと一番がフィルタ、次に熱交換器、そしてファンです。
なのでフィルタ自動掃除が付いていると「一番ホコリが溜まるフィルタを自動掃除してくれる」という意味であって他は何もしなくてもいいわけじゃないんですね。
パナソニック上位機種のフィルタお掃除機能付きモデルでも
「おそうじ運転していても、お手入れ・交換が必要です」とあります。
フィルタ自動掃除なしのモデルと比較すると、当然自動掃除ありのモデルの方が圧倒的にメンテナンスが楽です。
それでも数年に一度は内部掃除が必要ですよ、ということは覚えておいた方がいいと思います。
内部掃除がしやすいメーカとしては
- 三菱・・・自動掃除ユニットなどが取り外しし易く作られていて一般人でも内部掃除しやすい
- 日立・・・熱交換器に霜を発生させて一気に水洗いする機能が搭載されている
もしエアコンをつけてるのになんだか冷房が効かないぁということがあったらフィルタだけでなく内部を含む他の要因も検討してみた方がいいかもしれません。その場合はこちらの記事が参考になると思います。
エアコンが冷えない場合に試してみる3つのこと【電気代削減の効果あり】フィルタ自動掃除のゴミはどこへ行く?
フィルタ自動掃除があった方が圧倒的に楽なのですが、そのゴミはどこへ行くのでしょうか?
これもあまり知られていない性能差です。簡易的な比較だとフィルタ掃除付いてたら◯、付いてなかったら✖️と表記されている場合が多いので自動掃除「有りか無しか」しか検討されてないことが多いです。
実はパナソニック等の一部モデルは「自動排出」といってゴミを本体に溜めずに外気へ排出します。これだとかなり楽です。
他のメーカ、大多数のモデルでは「ダストボックス式」といってエアコン本体にゴミ箱のようなパーツがあってそれに貯める方式です。この場合は容量によって半年に一度だったり数年に一度だったり掃除が必要です。
以下はフィルタ自動掃除付きエアコンの一例です。本体性能・価格的にもライバル機種3アイテムです。
- パナソニックCSEX222D・・・自動排出方式
- 三菱MSZR2222・・・ダストボックス方式10年容量
- ダイキンAN22ZCS・・・ダストボックス方式3年容量
フィルタ掃除機能だけでなく、エアコン選びは横並びで比較しないとわかりにくいと思います。
これらのライバル機種を比較した特集をしていますので参考になれば嬉しいです。
現役店長が選ぶ2022年おすすめ6畳エアコン【フィルタ掃除付き10万円台前半】比較3選④ 新旧入れ替えタイミングの勘違い
エアコン機種選びの時に安くて性能は良い掘り出し物がないかなぁと思ったことはありませんか?
現場でもよく聞かれます。そんな時にタイミングが合えば「型落ち品」があるかもしれません。旧型・処分品とも言われますね。
エアコン業界ではだいたい1年に一度新型が発表されて、世代が入れ替わります。2022年モデルとか2021年モデルとか言われるのもそこから来ています。
各メーカとも何種類もラインナップされてますので全シリーズいっぺんに入れ替えではなく2月・3月もしくは10月・11月ごろに分散して発表されるのが多いです。
じっくり検討する余裕がある場合は目当ての機種が何月発売だったのか見た上で、1年経過くらいの時期に新型後継機種が発表されるのを期待するのも手です。在庫切れの危険性はありますが手にはいればラッキーです。
経験上、エアコンは発表から1年くらいで生産が終了して新型が発表されます。そこから型落ち品が市場に在庫残っているのは3ヶ月から半年くらいです。人気モデルほどあっという間に無くなります。
気になるポイントとしては型落ち品と現行品だと何が変わったの?という部分です。
これが難しいところです。ほとんどの場合マイナーチェンジと言えるくらい変化が少ないのですが、たまに革新的に性能アップしていたりするんですよね。
こちらに2021年モデルと2022年モデルで進化したほんの一例を紹介します。
- パナソニック ナノイーXの効果が大幅にアップ(花粉抑制が4倍など)
- 日立 凍結洗浄が室内機だけでなく室外機にも搭載
- 三菱 電源オフからでも設定温度を超えたら自動で冷房運転する機能搭載
これらを網羅するのは大変だと思います。型落ち品と現行品で何が違うのか比較検討した特集がありますので参考になれば嬉しいです。
型落ち品のメリット・デメリットもわかりやすく解説してありますのでどうぞご覧ください。
在庫あったら要チェック。現役店長が選ぶ型落ち6畳エアコン【フィルタ掃除付き10万円未満】2022年との比較も解説しますこちらはフィルタ掃除ありのグレードの新旧比較です。
在庫あったら要チェック。現役店長が選ぶ型落ち6畳エアコン【フィルタ掃除なし8万円未満格安】2022年との比較も解説しますこちらはフィルタ掃除なしのグレードの新旧比較です。
⑤ どの部屋でも同じ選び方という勘違い
寝室、勉強部屋、リビングなど今は各部屋にエアコンが付いているのが当たり前になってきましたね。
寝室の場合
6畳エアコンを探しているという相談を受けた時によく
「寝室だから安いやつでいいんだよね」と言われます。もちろん予算があるので合わせて案内しますが念のためのアドバイスをいつもさせてもらっています。
- 寝室は滞在時間が他の部屋より長い
- 寝室は匂いがこもりやすい(布団、毛布、洋服などの影響)
- 寝室は静音性も大事
- フィルタ自動清掃は不要かどうか
特に成長期のお子様は新陳代謝も早いのでお子様部屋、寝室は匂い・カビ対策が搭載されたエアコンを選ぶのがいいと思います。また、室内機の静音性を気にして機種を選ぶ方は非常に少ないですがモデルによってかなり変わってきます。
総じて寝室は滞在時間が他より長く、布団の上げ下げや毛布などからホコリが舞い上がりやすい環境です。フィルタ掃除はあった方がいいですよ。
おすすめの6畳エアコンフィルタ掃除付きが気になる方はこちらの特集をご覧ください。
現役店長が選ぶ2022年おすすめ6畳エアコン【フィルタ掃除付き10万円台前半】比較3選リビングの場合
14畳や18畳となるとリビングということが増えてくると思います。
家族も集まる場所ですし、キッチンと同じ空間であることが多いはずです。
冷房も暖房も効くというのは当たり前で、重要視するといいポイントとしては
- 複数人が滞在している場合にセンサーで吹き分けできるかどうか
- 調理の油分に対して対策があるかどうか
- 匂い、カビ対策があるかどうか
- 基本の冷暖房にプラスして霜取り対策、パワフル冷房などの機能有無
リビングともなるとテレビがあったりしますので静音性よりパワーが優先という方が多いです。
センサーだと三菱が優秀ですね。また、室内機に付着した油分に対しての対策は日立の凍結洗浄が優秀です。
14畳、18畳のおすすめランキングが気になる方はこちらの特集をご覧ください。
トップ5モデルの特徴と価格を調査して比較検討しやすくなっています。
現役店長が選ぶ2022年おすすめ14畳エアコン【フィルタ掃除付き20万円以内】比較5選こちらは14畳サイズのおすすめランキングです。
現役店長が選ぶ2022年おすすめ18畳エアコン【フィルタ掃除付き20万円台前半】比較5選こちらは18畳サイズでのおすすめランキングです。
選び方機種検討編まとめ
最後まで読んでいただいてありがとうございます!
今回はエアコン選びの機種を検討する段階でのよくある勘違いや思い込みを特集しました。
この記事でちょっとでもエアコン選びの助けになれば幸いです。
他にもいろいろな家電の選び方やオススメなどを特集していきますので良かったらまた読んでください。