この記事を書いている今は5月下旬です。みなさんのお家にもエアコンがあると思いますが、そろそろ除湿や冷房を使い出していますか?
そして夏が近づくと、僕の職場でもエアコン買い替えのピークを迎えます。
ああこの季節がきたなぁと思うこの頃です。
僕は小売で20年以上、そのうち約15年間店長をやってて毎年思うのですが
エアコンは「壊れたから買いに来た」という人が多いです。完全に壊れた、ちょっと調子が悪いという方で全体の8割以上かなと。そして大体の方が10年から15年くらいはエアコンを使ってますね。
だからエアコンを自分で選ぶってことに慣れてないのは仕方ないと思います。
ただ、もったいないことに、価格だけでエアコンを選ぼうとしている方がとても多い!という事で
今回は7割以上の人が知らないエアコンのお得な選び方を紹介します。
この記事はエアコンを検討中なんだけれども
- 高性能なエアコンは贅沢だからお金がもったいない
- カタログのスペック表みたいな細かい部分は見たくない
- というか種類が多すぎてどう選んだらいいかわからない
- エアコン本体以外にかかりそうな費用は?よくわからない
と思ってる方にこそぜひ読んでほしい内容をお届けします!
このように特に6月、7月はエアコン需要がピークですが、慌てて価格だけで判断して
「意識せず損してる」ことにならないように気をつけましょう。
高性能エアコンは贅沢なのか?価格差を電気代で逆転する見極め
エアコンは年間で電気代いくらかかっているのか?という前提ですが
経済産業省資源エネルギー庁によると
- 夏の日中(14時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のうち58%がエアコンによるもの
- 冬の夕方(19時頃)の消費電力(在宅世帯平均)のうち30%がエアコンによるもの
ということでやっぱり家庭の電気料金のうちエアコンは影響が大きいですね。
価格差と電気代差の実例
そこで現場でもよく聞かれるのが
「で、結局このエアコンとあのエアコンだといくら違うの?そんで電気代はいくら違ってくるの?」
ということで参考までに実例を紹介します。
これを説明した時に7割以上の人が「それは知らなかった」という反応ですね。
型番 | 低温暖房能力(kw) (外気2度) | 楽天価格税込 (2022年5月26日時点) | 年間目安電気代 (円/年) |
例①CS-X562D2(パナソニック18畳) | 9.0 | 327,800 | 46,600 |
例②CS-EX562D2(パナソニック18畳) | 6.8 | 230,780 | 60,600 |
比較しやすいように同じメーカの同じ製造年度、同じ畳数エアコンで比べましょう。
例えばこのケースだと本体価格が①と②の差は97,020円ですね。
それで年間電気代の差が①と②の差が14,000円です。
ということは7年もしないうちに価格を電気代で逆転しちゃうわけです。
しかもその先は差が開く一方。もし15年使用したと仮定すると
14,000円掛ける15年なので21万円も電気代で差がつきます。本体価格差をはるかに超えてます。
投資をしてる人なら「かなり割りのいいリターンが見込める」と考えるとこですね。
もちろん例①のエアコンの方が完全に上位の機種なので低温暖房能力以外にも
人感センサー、気流制御、足元暖房能力、霜取り対策、湿度選択有無など
各種性能で上回ってますから電気代メリットだけじゃなく生活満足度も上がります。
場合によっては7年で逆転どころか3年や4年で逆転するケースもあるので探してみる価値は大いにあると思います。きっと家計を助けることになるでしょう。
今回はパナソニックの代表的なエアコンを比較しましたが、各メーカにも上位機種、中堅機種、お買い得機種とラインナップがあるのが普通なので購入前に比較することを強くお勧めします。
パナソニックのエアリアシリーズです。オススメはやっぱりXシリーズ。
ワンランク下のEXシリーズもいいのですが電気代の差と本体価格差を見て、あまり差がないなら
Xシリーズを選んだ方がいいでしょう。特に暖房能力が違います。
中堅モデルがEXシリーズ。そしてフィルタ掃除機能が外れちゃいますが、お買い得モデルならJシリーズとFシリーズです。
パナソニックオリジナルなポイントとしてはやっぱり「ナノイー」で有害物質とか匂い抑制できるのが特徴です。
Fシリーズにはナノイー機能がないので注意。
パナソニックのエオリアシリーズをもっと詳しく知りたい方はこちらのリンクからどうぞ。
主力3シリーズの性能差と実際の価格を紹介しています。
2022年モデル【エアコン価格徹底比較】パナソニックエオリア編厳選お勧め3シリーズ三菱の霧ヶ峰シリーズです。国内主要メーカの一つですね。オススメはZシリーズ。
これはパナソニックのXシリーズと性能面でもライバル機種という位置付けです。
中堅モデルならRシリーズ、お買い得モデルならGEシリーズという立ち位置です。
日立白くまくんシリーズです。こちらも有力なエアコンですね。「凍結洗浄」という内部を一旦凍らせてから一気に溶かすことで水洗いしているような機能が特徴的です。
この中だとオススメはXシリーズ。性能的にもパナソニックのX、三菱のZWに相当します。中堅モデルだとWシリーズ。ただ、こちらも価格差があまりないなら電気代でXシリーズの方が数年後に逆転しちゃうケースもあるので、価格差と電気代差をよく見た方がいいです。
お買い得モデルならDシリーズです。フィルタ掃除機能はないので注意。
代表的なエアコンの3大メーカです。ほんとシリーズが多いですね。
どのメーカも最上位機種、中堅、お買い得モデルとラインナップを揃えてますので
気に入ったメーカの中で先述の電気代と本体価格差のバランスを見てみるといいですよ。
カタログの畳数に幅があるのはなんで?
エアコンの畳数については「おもに6畳」「おもに8畳」というような記載になっています。
表示に広さの幅があるのは住んでいる地域や設置する部屋の構造や向きなどの条件が家ごとに違うからです。
そうなると冷暖房効果が異なるわけで、例えば和室などで空気が逃げていきやすい部屋なら小さい方の畳数を見た方がいいです。
上の例は「おもに10畳用」と言われるようなエアコンの一例です。
このエアコンを選んだとして、実際の設置場所が南向き和室だった場合には8畳くらいにしか対応できなんですね。
つまり「おもに10畳」と書かれていてもパワー不足ということです。
どういうエアコンの使い方でその電気代になるの?
もう一つ現場でよく聞かれるのが
「で、その電気代はずっと付けっぱなしでその金額?」という質問もよく聞かれます。
ちゃんと統一した基準がありますので紹介します。
この基準は7割どころかほとんどの人から聞いたことないって言われます。
この表にあるように付けっぱなしではなくて冷房期間3.6ヶ月、暖房期間5.5ヶ月で1日あたり18時間エアコンを使ってたというシュミレーションです。
ということはこの使い方より長い期間エアコンを使ってるなら想定したより電気代差が開くかもしれませんね。
梅雨の時期に除湿モードで使うとか、在宅している家族がいる場合などは使用期間が想定より長いと思います。
あ、それと寒冷地モデルエアコンという名前で勘違いしてる方もいたのですが、寒冷地といってもちゃんと冷房も動きますからね。
また、最上位機種や上位機種には高性能な人感センサーが付いていたりするので不在ならエコ運転になったり体温を感知して無駄な電力を抑えたりと、より節電になります。
各メーカのカタログ見なくてもパッと比較できます
さて、エアコンは機種によって電気代が随分違ってくるというのは分かったわけですが、どこを見たらその電気代が書いてあるのか?
カタログの最後の方の細か〜い字で「期間消費電力量(kWh)」というのもあります。この数値は1年間にエアコンが消費する電力量の目安です。もしこの数値が「586kWh」と書いてあったらこれに1kWあたりの電気料金の標準値27円をかけると、およそ年間で15,800円くらいという予想がつきます。
けど、大多数の方はカタログのそんな細かい箇所まで見たくないですよね?
ということで、次は電気代をパッと比較できるコツを紹介します。
売り場の省エネPOPで比較
まずはリアル店舗でエアコンを販売してる売り場に行って緑色のPOPを探しましょう。
これは聞いたことあるというかも多いでしょう。認知度は5割くらいでしょうか。
省エネPOPと呼ばれるものですね。このPOP下段にズバリ年間電気料金の目安が書いてあります。
これを見れば一目瞭然です。比較するときは「同じ畳数同士で比較」するようにしましょう。
14畳のエアコンと18畳のエアコンの電気代を比べても参考にならないですからね。
自分のスマホで型番を打ち込んで調べる(オススメ)
忙しいからリアル店舗まで行けないという方へ。もしくは自分の家のエアコンの年間電気代と入れ替えようと思っているエアコンの年間電気代を比べるような時にもオススメなやり方があります。
このやり方の認知度はほぼゼロです。活用していたら凄い。それか業界の人ですか?
検討中のエアコンの型番がわかってるなら「省エネ型製品情報サイト」というサイトを利用するやり方です。
このページに飛ぶと次のような画面が開くので
左上の「エアコン」を選びます。
このような画面になるので調べたいエアコンの型番を入力すると年間目安電気代など様々なスペックがパッと表示されます。試しにご自身の家のリビングのエアコンの型番なども入れて見るといいかもしれません。2022年モデルのエアコンと比較して明らかに電気代の差があるなら壊れてなくても買い替え検討した方がいい場合もあります。
このやり方なら出かけなくても調査できますし、世の中に出回っているほとんどのエアコンが登録されてるのでメーカ違いでもすぐに比較できるのが便利です。
この省エネ型製品情報サイトを良くみたら、なんかお坊さんみたいなキャラが見えますよね。
この方、「しんきゅうさん」といいます。家電の新型と旧型を比較するってことで。
政府のネーミングセンスよ・・・
電気代だけじゃない選び方
電気代という話からはちょっとそれますが、エアコンは生活満足度を上げるための家電なので
冷房・暖房がついてたらいいってわけじゃないですよね。
僕が思う絶対外して欲しくない機能はやっぱり「自動お掃除機能」と「カビ抑制機能」と「低温暖房能力」です。
エアコン掃除はどのくらいしてますか?
ところでみなさんはエアコンのフィルタ掃除ってどのくらいの頻度でやってますか?
季節の変わり目の1回ですか?それとも毎月ですか?
実は、フィルタ掃除機能がないエアコンは「2週間に1回」くらいは掃除必要です。
大抵のメーカでは説明書に「お手入れ」っていうページがあって、2週間に1回くらいの頻度で掃除するように記載されてるのがほとんどです。
え?と思いました?
実際にいろんな人に聞いてもそんな頻度で掃除してる人は少ないです。はい。なので、フィルタが詰まった状態で数ヶ月とか1年とか運転を続けたエアコンは想定以上に電気代を使ってしまっているはず。
だからフィルタ自動清掃機能は絶対についていた方がいいです。
溜まったホコリはカビの温床になっちゃいますしね。
それに年配の方とかが椅子に乗ってエアコンフィルタ外すのはちょっと危ない気がします。
おじいちゃん、おばあちゃんの部屋のエアコンは是非フィルタ清掃機能付を選んであげてください。
カビを抑制?それとも除菌?
もう一つ注目してほしいのがカビを「抑制」なのか「除菌」とまで書いてあるのかです。
似たような意味合いですが、「除菌」とまで書いてあるエアコンは限られます。もちろん
「発生してしまったカビまで除菌する訳ではありません」のような注釈はありますが、小さなお子様がいる家庭や湿度の高い土地に住んでいる方はぜひ注目してほしい性能です。
カタログを見ても「カビに強い!」とかイメージをアピールしているのが多いので、これは仕様表をよくみる必要があります。
積雪のある地域なら「低温暖房能力」に注目
冬に積雪のある地域では絶対に注目してほしいのが「低温暖房能力」です。これは外気温が2℃のときに最大どれくらいの能力をだせるかという数値です。
この数値が大きければ大きいほどパワフルに運転できるので、外気温が低い冬でも高い暖房能力を発揮します。
ファンヒータを使う前提のおうちもあるかと思いますが、灯油を買いにいく手間、灯油代金を減らせるので各メーカの「寒冷地モデル」が特に低温暖房能力が高くてオススメです。
エアコンのちょっと工夫で節電
今回はエアコン購入の時に電気代にも注目した方がいいよという視点で紹介しました。
ただ、電気を節約するなら次に紹介するちょっとした工夫で年間電気代が変わってくるので是非やってみてください。
省エネポータルサイトからの引用です。
ここでもフィルタ清掃って出てきますね。大事です。
他にも室外機の置き場所も大事です。夏場に直射日光が当たる位置なら、何かで影になるようにするだけで随分冷房の効きがよくなったりします。冬場なら逆に雪に埋もれてたりすると暖房は効かないです。
ベランダなどの狭い場所に室外機を置く場合は、せめて周りにモノを置かずに空気が溜まらないように工夫するといいですよ。
あとはエアコンとはちょっと外れるのですが、部屋が適温になってもエアコン切ったらすぐに暑い・寒いとなっちゃうなら「窓を二重窓に変更する」のも効果があります。熱エネルギーの大部分は窓からロスしますからね。
まとめ
今回紹介した内容をまとめます
- エアコンを選ぶ際は本体価格と年間電気代のバランスを見るべき
- 年間電気代は省エネPOPを見るか省エネサイトで入力するとわかる
- 重視する付加価値はフィルタ自動清掃、カビ対策、低温暖房能力
という内容でした。
今回は「エアコンを購入する際のコツ」として紹介しました。
別の記事で「エアコンを買い換えるほどの予算をかけずに冷房効率を上げるには?」という内容を紹介していますので比較して頂いたら買い換えるのかどうか方向性が決まるかなと思います。
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